やっぱり気になるお金のこと。開業資金のリアル。 10坪ストーリー人気記事から「お金」の話をダイジェストでお届け!
10坪不動産へのお問い合わせの際、物件情報と同時に開業資金についてのご相談を多く受けます。そこで今回は、10坪ストーリー人気記事から「開業資金」にテーマを絞ってご紹介しましょう。
■当社調べの開業資金相場
10坪不動産のリサーチでは、10坪前後の店舗を経営するには、開業資金・運転資金について1,000万~1,500万円程度が必要という記事を掲載しています。
https://www.10tsubo.com/news/10tsubo1
なお、居抜き物件を利用するなど、最小限に初期費用を抑える工夫をすれば500万円〜600万円ほどで開業できるとも言われています。ざっくりとした内訳が下記となります。
■居抜き物件を利用の場合
・初期費用:約600万円
うち物件取得、改装費用:約350万円
■スケルトン物件を利用の場合
・初期費用:約1200万円
うち物件取得・改装費用:約750万円
■全体
・初期費用: 約850万円
うち物件取得・改装費用:約500万円
当座の運転資金目安:約350万円
<実際に吉祥寺「肉山」創業時の費用明細を大公開!!>
>物件取得費用
保証金:660,000円
保証委託料:97,272円
鍵交換費用:21,000円
前家賃2ヶ月分:241,500円
仲介手数料:115,500円
テナント保険代:54,000円
小計:1,189,272円
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>造作費用、その他備品
内装費:3,662,600円
空調設備:909,825円
その他厨房機器、備品:1,559,500円
印刷代:1,400円
グラス代:53,928円
小計:6,187,253円
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合計7,376,525円
■10坪ストーリーからわかる、開業資金のリアル
理想と現実はどうしても差が出てくるもの。以下、わたしたちがお世話になっている10坪飲食店の事例を、エピソード形式でご紹介します。
【中目黒の10坪店舗〈空中階〉】大衆酒場チャン栓チャン
https://www.10tsubo.com/story/10-2020225
-「僕は手持ち資金を500万円用意し、借入もして起業しました。サラリーマンでも本気になれば2年くらいで300万円は貯められるでしょうし、それができない人なら、お店をやってもダメだろうと思います」
-「お金を貸す側は、月々いくら貯めているかを預金通帳で見ていますからね」
【千駄ヶ谷の10坪店舗〈路面店〉】モンマスティー
https://www.10tsubo.com/story/1015-2020127
-手元に残った退職金、200万円でスタート。
-「いま、開業して14年になるけど、最初の8年間は俺の給料はなし。その間に自宅を3000万円で売って、5年くらいはそれを食いつぶしながら営業して。それも全部なくなったから今度は個人ローンで300万円借りてと、軌道にのるまでは大変だったよ。2017年にようやく完済してひと息ついたところだよ」
外苑前の10坪店舗(空中階)】BARトースト
https://www.10tsubo.com/story/10bar-2020112
-「初期費用は不動産との契約も含めて全部で800万円ほどですね」
-「こだわった点は、自分がカウンターに立ったときに店全体が見渡せること。カウンターを『への字』にして、僕が中心に立つことで全員の顔が見える、全員と話せることを大切にしました。
【ダガヤサンドウの10坪店舗(路面店)】鳥逢酢
https://www.10tsubo.com/story/10--20181121-zxr58-hnckh-43cse-rnf9x
-「開業資金として、坪100万円を超えると回収に時間もかかるため、経営に我慢が必要になってきます」
-「脱サラなどで個人で融資をお願いする場合も、1000万円を超えるとそもそも資金調達も難しい。当然、坪70万円と100万円なら、融資も70万円規模の方が下りやすいものです」
-「10坪規模なら、自己資金300~400万円を手に持って、半分は融資で開業という形で、十分、勝算があると思います」
【三軒茶屋の10坪店舗(路面店)】 和酒とおばんざい 純々
https://www.10tsubo.com/story/10--20181121-zxr58
-「できるだけ初期費用を抑えてスタートしたかったので、削れるところは削って、壁や棚の塗装作業は自ら行いました。結果、1000万円必要だろうというところを約500万円に抑えることができました。」
【西荻窪の10坪店舗(路面店)】 鮓処ひろ志
https://www.10tsubo.com/story/10-23-10--20181025
「独立を意識しだしてからは貯金も一気に増やすよう倹約や努力もして、最終的には700万円くらいは貯蓄できていましたね。貯金以外にも、開業の際は、借り入れもしました」
「積み立ての期間は23年。新人のときは1万円程度で始め、一人前になってからも無理ない範囲の2万円とか3万円をコツコツ貯めて。多摩信用金庫で積み立ても長くお世話になっていたこともあって、支店長さんに「いま手元にこれだけしかないけど独立したいので貸してくれませんか?」と、融資の相談をしたら、即答で協力してもらえました」
【千駄木の10坪店舗(路面店)】 つけめんTETSU
https://www.10tsubo.com/story/10-500tetsu--2018914
-「初めて開業したとき、手持ち資金は500万円でした。借入はなく自己資金で勝負。東京・千駄木で居抜き物件を見つけて、8坪9席からスタート。予算は限られていたので、内装も一部、自分でペンキを塗ったりしましたね」
-「資本金300万円で起業、8年後に15億円で売却したことをもって成功だとか、ラーメンドリームとよく言われるんですが、僕からすると『たんに、運がよかっただけ』です。もちろん、「時間と汗」を人一倍かけたのは当然です」
【西新宿の10坪店舗(路面店)】 麵屋翔
https://www.10tsubo.com/story/10--2018813
-「開業資金は、自己資金と日本政策金融公庫からの融資、姉からの借金も含めて、手元資金400万円を用意してスタートしました」
-「厨房機器は修業先のご好意により譲っていただき、ラーメン店の開業とすれば一般的に言われる開業資金に比べると低予算で始めることができたと思います。みなさんに感謝です。」
-他飲食店オーナーさんとのお取引や取材時で、なかには退職金やストックオプションによって数千万円の手元資金でもってスタートしたという方もいらっしゃいますが、それはレアケースでしょう。
最低でも2、300万円の自己資金を用意して、融資も視野に開業するのが現実路線。
まだまだ、自己資金に不安がある方は、今日から早速、「事業用の口座」をつくり、中長期的なスパンで10坪飲食店開業を目指してみてください。