【西新宿の10坪店舗】 “どこにでもいるような若者”を “本物のラーメン店経営者”に変えた出会い 「麺屋翔」の大橋さんにインタビュー!<前編>

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10坪の可能性を信じ、挑戦している方のお話を聞く「10坪ストーリー」。

今回は、ラーメン店の超激戦区「新宿」「品川」で注目を集める「麵屋翔」の店主・大橋さんにお話を伺いました。

 

-これまでのご経歴を教えてください!

先に上京していた姉がラーメン店の共同経営をしていたことから、「人手も足りないし、あなたもラーメン店で働いてみない?」という誘いをもらったのが、この業界に入ったきっかけです。それまでは、一般企業のサラリーマンや塾講師をしていたのですが、とくに将来の夢もなく、漠然とした毎日を過ごしていた気がします。「人に縛られるのはイヤだなあとか、サラリーマンは性に合わないかもと感じたり……」。こんな風に考える若者たちはいまも多いと思うのですが、僕もそんな若者のひとりでした。

25歳のときに将来の独立も視野に北海道から上京し、4年間、姉のラーメン店で修業しました。そして、29歳で個人事業主として独立して構えたのが、現在の西新宿のお店です。一国一城の主になるために、30歳前でこれから先の人生を考え、決断しました。

おかげさまでそれから11年が経ち、充実した毎日を過ごしています。

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-独立のきっかけ。手元資金400万円で開業!

修業時代は、ラーメンをつくることはもちろん好きでしたが、商売や経営に関することには正直、無頓着でしたね。それが縁あって4年間の修業の最後の約半年ほど、当時池袋にあったラーメン店集合施設でお店を運営する機会をいただきました。ここで店舗運営におけるお金の流れなどを知ることができました。そして、「次は、いよいよオレの城を構えるぞ」と、雇われ生活にピリオドを打つことにしたんです。

開業資金は、自己資金と日本政策金融公庫からの融資、姉からの借金も含めて、手元資金400万円を用意してスタートしました。寸胴やレードル、どんぶりなどの厨房機器は修業先のご好意により譲っていただき、ラーメン店の開業とすれば一般的に言われる開業資金に比べると低予算で始めることができたと思います。みなさんに感謝です。とはいえ、当然、毎月の返済もあり、材料費、人件費など出ていくお金も多い。単なるお店の運営でなく、自身のお店を“経営”する身になって気づいたことはやまほどあります。当時のことを思い返すと、恐ろしいほど宙ぶらりんな、見切り発車をしたもんだなと思います笑。

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-物件選びで意識したことはありますか?

独立すると決めてからは、約1年くらいかけて、物件を探しました。

半年間だけとはいえ、僕のラーメンの味を知っていただいていて、土地勘のある池袋でまずは店舗を探したのですが、結局は西新宿に決めました。開業時(11年前)もいまも、西新宿の第1号店(現本店)近辺は、昼間にサラリーマンの方が多いんです。これはお店を経営するうえで、大きな魅力に感じています。じつは最初、“小滝橋通り”(「麺屋翔西新宿本店」からほど近い大きな通り)に出店したかった。ですが家賃も坪5万円代で、当時は予算的にかなり厳しいなと断念しました。

理想とは少し違うけれど、予算と折り合うなかで、もっとも良い場所はないかと、いまの場所に決めました。その時点でのベストは難しくても、ベターな立地を選ぶことが重要なのかもしれません。

 

-開業後の苦労。訪れた転機。

開業後、しばらくはなかなか思うように売れなかったですね。最初の2、3か月の売上は月商120万円いけばいいところ。ですが、従業員なしで僕一人でお店を切り盛りしていたので、日曜日は休み、土曜日は半日しか営業せずと、わりと優雅な生活をしていたかもしれません笑。

そんなときに、転機が訪れます。

開業して2年目に結婚し、すぐに子どもができました。それまでは、独身で自由気ままに生活していたのが、妻や子どものためにもこのままで本当にいいのか、冷静に現状を見つめ、これからについて自問自答するようになりました。

 

-人生を変えた師匠との出会い

そのとき、当時お取引していた製麺所の方から一本の電話が鳴り、みのもんたさんの「愛の貧乏脱出大作戦」というテレビ番組に出てみないかというお話をいただきました。番組はさまざまな業界で経営不振に陥っている飲食店を、その道のプロの方の力で立て直すという企画でした。いわば恥を忍んでいうこともあり、周囲からの反対もあったのですが、自分としてはこのままじゃいけない、なにか変わるきっかけが欲しかったので出演することに決めました。このときが、必死になって何かをつかみたい、何かを成し遂げたいという、ラーメン店経営者としての覚悟が決まった瞬間だったかもしれません。

番組では、ラーメン好きなら知らない人はいない、「つけめんの元祖」の東池袋・大勝軒(http://www.tai-sho-ken.com/top.html)の創業者・山岸一雄さんの直属のお弟子さんである麺屋こうじグループ(http://www.kouji-dream.com/)の田代浩二さんと、そのお弟子さんでもある東十条の「麺処ほん田」の本田さん(http://honda-japan.jp/)に教えを請いながら、21日間の修業を行いました。

田代さんも本田さんも、本気で僕のことを考えてくださって、我がことのように売上増を目指す取り組みをしてもらえ、実に愛にあふれた時間をご一緒させてもらいました。それが一生ものの財産となり、いまに至ります。お二人に教わったことは、ラーメンの味や経営ノウハウだけではありません。

山岸さんから連綿と続くラーメン店主としての教え。それを僕なりに解釈すると、「人間力を磨け」ということだと思っています。

いまから思えば過去の自分って、甘えもあれば、余計なプライドもあったりと、いったいお前は何者だったんだと思います笑。そうしたいい経験も悪い経験も含め、次は、従業員も含め、僕より後の次世代の人たちに“ラーメン屋”という仕事の醍醐味を伝えていける存在になりたいですね。

 

- 現状維持をよしとせず、テレビ出演で飛躍のチャンスをつかんだ、大橋さん。

後編では人気店になったからこそ生まれた課題や、今後の展開などについて、お話をうかがいます。

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【※取材店舗情報※】

店舗名:麺屋翔

麵屋翔本店店主:大橋望

https://www.menya-syo.tokyo/

 

【西新宿本店】

住所:〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-22-34

営業時間:平日 11:00-15:00 18:00-23:00

土日祝:11:00-15:00 17:00-21:00

※スープ切れによる変更あり

定休日:元旦のみ休業

電話番号:03-3364-5787

Shota Fujii