【中目黒の10坪店舗<空中階>】お店のコンセプトは、安室奈美恵からのインスパイア!?空中階での集客は出血サービスから始まった!?大衆酒場「チャン栓チャン」の澁谷さんにインタビュー!〈後編〉
10坪の可能性を信じ、挑戦している方のお話を聞く「10坪ストーリー」。
前回に続き、2018年、人気激戦区・中目黒に7.5坪の大衆酒場「チャン栓チャン」を開業した澁谷さんにお話をうかがいました。
■店のコンセプトはJ-POP。インスパイアは安室奈美恵。90年代好きに集まってほしい!
店名はぶっ飛んでいた方がキャッチーで覚えてもらえるかと思って、「チャン栓チャン」に決めました。
僕、安室奈美恵さんが大好きで、彼女の曲に「Chase the Chance」っていうのがあるんですが、それをもじって「チャン栓チャン」笑。
ちょうど、安室奈美恵さんが引退するころ(2018年9月)、メニューに安室奈美恵サワーというものを加えました。パイナップルが入ったサワーです。「チャン栓チャン」の店内で、90年代のJ-POPを流しながら、安室奈美恵サワーを飲むシーンを想像したら、超おもしろいかなと思ったんです。なので、90年代のJ-POP世代の方には、とくにお店に来てもらいたいです。
■出血サービス、先行投資の集客戦略
最寄り駅から1分とはいえ2階の空中階なので、集客は工夫しました。
開店当初は、地元なので友達や知り合いが来てくれましたが、しばらくしてからは苦労しましたね。食べログ、ぐるなびなどのグルメサイトも一応使ってみましたが、効果なし。やっぱり、リアルな口コミしかないと覚悟したのが、開業数か月後のことでした。
なので、来店されたお客さんには赤字覚悟でがっつりサービスする、その積み重ねでいまがあります。初めてのお客さんは、様子見であまり注文されないこともあるものですが、こちらから積極的にサービスしました。「これおすすめです」と、どんどん推しメニューを出しちゃう、つまり先行投資ですよね。あとからゆっくりゆっくり、しっかりと効果が返ってくると信じて、店のおすすめをどんどん食べていただきました。
幸い、鶏に関しては、馬喰横山で修業していた頃に、昼間に焼鳥屋のランチを手伝っていた伝手もあって、めちゃくちゃ美味しい鶏を安く仕入れられるルートがあって。なので、開店当初はうちの店の良さを知ってもらうのに、レバーとハツは、お客さんからの注文もないのに配っていたくらいですから。
■これから開業を目指す方へのメッセージ
僕は手持ち資金を500万円用意し、借入もして起業しました。
サラリーマンでも本気になれば2年くらいで300万円は貯められるでしょうし、それができない人なら、お店をやってもダメだろうと思います。お金を貸す側は、月々いくら貯めているかを預金通帳で見ていますからね。といっても、僕も前の会社に入社して最初の7、8年は遊びまくっていたので、起業までに12年かかったんですけど笑。
飲食店であれば、10坪あれば十分食っていけて成功できます。リスクも少ないですし、次を見据えながら、最初は10坪規模で始めるのが最適ではないかと思います。あとは、多少、立地が悪くても家賃は抑えた方がスタートアップにはいいかもしれないですね。
僕自身のことでいうと、次は15坪くらいの店を主要メンバー3人で回すようなお店をやってみたいですね。2人だとぶつかりやすいですし、1人抜けたらお店の空気も2分の1に薄まってしまいますが、3人であればなにかあっても痛手は3分の1で済み、お店の雰囲気も維持されやすいんじゃないかなと。「3人集まれば文殊の知恵」っていう格言もありますし、3人1チームのお店の運営を模索しています。
‐澁谷さん、取材のご協力、ありがとうございました!
10坪飲食店に肝心なのは、グルメサイトへの施策よりも何より目の前のお客さんにどうやってファンになってもらえるかということ、とても参考になりました。最高の広告費は、お客さまへの先行投資なのかもしれないですね。10坪飲食店は、ひとりでも切り盛りできるのがひとつのメリットですが、3人で回していくという次なる視点も新鮮でした。
開業を目指す方へのメッセージもリアル! 「夢なんて見るもんじゃない 語るもんじゃない 叶えるものだから(@Chase the Chance)」。といっても、夢を叶えるためにはまず、自己資金を貯めるのが大切。
【※取材店舗情報※】
店舗名:大衆酒場 チャン栓チャン
住所:〒153-0051東京都目黒区上目黒2-1-3 GTテラス 2F
営業時間:月~金曜日 17:00~、土日祝 14:00~、日曜営業
定休日:不定休
電話番号:03-6303-2677
東急東横線中目黒駅から徒歩1分
<食べログ>
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13225197/