【船橋の10坪店舗】バリスタ世界チャンピオンや、船橋市民、あらゆる人とともに街を盛り上げる!  「船橋コーヒータウン化計画」を画策する「ドトールコーヒーショップ船橋駅南口店」「Philocoffea」のオーナー・梶さんにインタビュー!〈後編〉

10坪の可能性を信じ、挑戦している方のお話を聞く「10坪ストーリー」。

今回は、「ドトールコーヒーショップ船橋駅南口店」を全国屈指の売上を誇る店に育て、船橋コーヒータウン化計画も企画する、「Philocoffea」「RUDDER COFFEE」のオーナー・梶さんにいい店をつくる秘訣と、これからの展望をお聞きしました。

■ドトールチェーン店売上屈指の店に育てた理由

起業時、「ドトールは、地域ナンバーワンでなければならない」という言葉に感銘を受けて、30坪から、最初のお店をスタートしました。お店の区画は全体で90坪あり、僕らが30坪を使って、残り60坪は別ブランドのカフェが併設されて、2つの店が並ぶ形でした。

しばらくすると、僕らの30坪の店の売上は少しずつ伸び、60坪のお店は右肩下がりで、開業後12年目には逆転。それにより、90坪すべての区画を借りることができ、これをきっかけに「ステージカウンター」のあるドトールコーヒーショップに改装したんです。

その結果、2019年の月商平均は約1800万円。年間の来客数は述べ67万人を突破。船橋市の人口が約63万人ですから、この数字を見たときはうれしかったですね。

成長できた理由は、ひとえに「お客様を大切にする気持ち」。スタッフとそれを共有し、話し方ひとつから気にかけたのが成長の秘訣だと思っています。

■ナショナルチェーン店とも違う、10坪店舗でのチャレンジ

ドトールとは別に、小規模でもいいのでもっと実験的で自分らしいの店を持ちたいという思いから、2018年に焙煎施設の「Philocoffea」と、船橋駅ビル内に「RUDDER COFFEEシャポー船橋店」をオープンしました。RUDDER COFFEEは、たった5.7坪のお店です。

駅ビルの1階は飲食不可の条例があったので、苦肉の策で厨房だけを囲って小屋にしたんですが、これがかえって洒落た屋台風に見えて好評を博しています。

共同経営者の粕谷哲は、2016年度のバリスタ世界チャンピオン。最初は、彼に焙煎のコーチをお願いしたんですが、意気投合して彼と一緒に会社(株式会社Philocoffea)を設立することになりました。

■あらゆるところにコーヒーを届ける

会社のモットーは、「あらゆるところにコーヒーを届ける」こと。スペシャルなコーヒー体験を味わっていただいて、つねに新しい驚きをお客さまに提供することを目指しています。

コーヒーって粉にお湯をかけるだけかもしれないですが、そのコーヒーをよりおいしくするための技術や、豆から抽出までのストーリーを広く伝えたいですね。

スペシャルコーヒーと言われる豆は、世界でも総生産量の5%しかないと言われています。また、自然のものなので、毎年おなじ品質のものを味わえるわけでもないんです。なので、うちの粕谷は、フレッシュな豆やスペシャルな豆を求めて、エチオピア、ケニア、コロンビアの農園と交渉するために飛び回っています。

粕谷は2016年のバリスタ・世界チャンピオンですが、技術やトレンドをつねに情報収集し、傍からみてもとてつもない努力をしています。会社としても世界チャンピオンを背負っている以上、常に最先端に位置し、胡坐をかかず、いつも最前線にいる努力をしています。

■「船橋コーヒータウン化計画」のために

これまでに、店でハンドドリップのコーヒー教室を100回以上行ったり、船橋コーヒー・フェスティバルなどのイベントも企画し、船橋を街ごとコーヒーの街にするために、地元の方にも協力してもらい、「船橋コーヒータウン計画」という運動を始めています。また、そのアクションを認めてもらえたのか、当店の人気メニューが2020年度の船橋市の認証商品に決まりました。海外の原料にも関わらず、船橋市の看板として後押しされる、そんな市の期待にもこたえていきたいです。

最終的な夢は、蛇口をひねればコーヒーが出る、コーヒー好きが集まるコーヒーマンションを船橋に作りたいと考えています。それ以外にも、船橋に100坪くらいのコーヒー焙煎工場を作りたいし、そのきっかけとしても、2020年には中国にも工場を持つため、チャレンジしようと思っています。

とはいえ、起業のときと同様、”人の想い“に応えることを大切にしていきたい。自分自身が何かをやりたいという気持ちよりも、地域のお客さまや一緒に働く仲間たちの期待に応えていきたい、そんな思いで仕事をしています。

■10坪不動産の読者へ。自分の城をもちたいという人へのアドバイス

僕のお店は朝6時オープンで22時半クローズですが、毎朝4時半にお店にきて、掃除とガラス拭きをする。そして、店が開いている間は常に挨拶を大切にする。この習慣を12年間、徹底してやってきました。お客さまを大切にするという一心でお店を続けています。やっぱり、このようなホスピタリティ精神は、味にも大きく影響しますから。この気持ちは、スタッフにも共有しているところです。

飲食店を開業し、続けることは大変かもしれませんが、一番の後悔はやらずに終わることです、何ごともやらないことには始まりません。

‐梶さん、取材のご協力、ありがとうございました! 

10坪不動産ならぬ、5.7坪でのチャレンジが、船橋市にムーブメントを起こすかもなんて夢がありますね。その基本は、周りの人の期待にこたえること、たゆまぬ基本的な努力と、先取性……。

これから起業・開店する方にとっては、やることばかりかもしれないですが、それこそがやりがいになるのかと気づかされる取材でした!

【※取材店舗情報※】

店舗名:Philocoffea Roastery & Laboratory

住所:〒273-0005 千葉県船橋市本町2丁目3-29

営業時間:9:00~18:00

定休日:不定休

電話番号:0474-60-9400

JR船橋駅徒歩7分

店舗名:RUDDER COFFEEシャポー船橋店

住所:〒273-0005 千葉県船橋市本町7-1-1 シャポー船橋南館内1階

営業時間:7:00~22:00(月~土)、07:00~21:00(日・祝)

定休日:無休

電話番号:047-409-5655

JR船橋駅徒歩7分

ホームぺージ:https://philocoffea.com/

kazuki nishiyama