【西新宿の10坪店舗 (路面店) 】“商品”は二の次、“人”こそありき。人気ラーメン店が先を見据える、経営の“極意” 「麺屋翔」の大橋さんにインタビュー!<後編>

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10坪の可能性を信じ、挑戦している方のお話を聞く「10坪ストーリー」。

前回に続き、ラーメン店の超激戦区「新宿」「品川」で注目を集める「麵屋翔」の店主・大橋さんにお話を伺いました。人ありきの経営視点に注目!

-テレビ番組出演後の変化は、いかがでしたか?

テレビ番組での放送後、お客様は目に見える形で増えました。数日とはいえ、それまで1日に60・70杯だった売上が、220・230杯と、約3倍となるのだから影響力は大きかったですね。

しかし、放送3日後の2011年3月11日に、東日本大震災が起きました。

震災後は、1日100杯を切るまでの経営危機になりましたが、それをなんとか乗り越え、徐々にお客様が戻ってきてくださいました。よくある話、開業してからの最初の数か月、1年が一番苦しい時期と言われますが、たしかに僕も当初はなかなかお客様が来店されず、苦悩しましたが、いま思えば、テレビに出演するまでが一番ラクで楽しい時間だったかもしれません。テレビ出演後で一時人気とはなりましたが、経営は続ければ続けるほど苦難がやってくると実感しています。

いまでは、ありがたいことに人気店となり、従業員も増え、期待してくださっているお客様の列が並ぶ日々が続いています。そうなると、自分一人ではお店の運営が回らなくなるので、人材育成がこれからの最も大きなテーマです。開業からこれまでの約10年間は、僕が困難の矢面にも、店舗でのサービスでの先頭にも立ってやってきましたが、従業員の幸せを考えたとき、その体制を変えなきゃいけない時期になってきたと考えているところです。既存店舗のお客様の満足維持、次への店舗展開を進めることを見越して、人材育成が最も大切だと「時間も費用」もかけて力を入れている最中です。

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-人材育成で気にかけていることはどんなことでしょうか?

なによりまず、いま一緒にお店を支えてくれている人たちの幸せです。現在、社員が8名、アルバイトが19名。2店舗経営としては社員が8名というのはやや多いかと思われますが、次の店舗展開も視野に入れてのことです。こうしたスタッフのなかには開業時から苦楽をともにした年配の方もいて、一番の功労者。お店のことも僕のことも、酸いも甘いも知っているような、このような仲間を大切にできる基盤を整えることを第一に考えています。

次に、未来を担う人材に「変わりたい!」という挑戦のきっかけを与えて、応援できる場をつくりたいと思っています。小さな職場の小さいチャレンジかもしれないですが、そこから人の元気が生まれるし、お店も元気になり、ひいては社会貢献もできると考えています。

「自分たちの会社から日本を元気にする」

子どもたちから見て、こんな大人かっこいいな。ラーメン店ってかっこいいな。と思える会社づくりを、僕たちから発信していけたらと思っています。具体的にまずできるところから言うと、社員教育のために、僕自身の時間をかなり多く割いています。コミュニケーションなくして、会社の成長はないですから。月1のスタッフミーティングや、定期的な飲みミーティングだけでなく、月に2度の個人面談を行い、僕が一方的に理念・ビジョンなどを話すのではなく、リラックスした状況でスタッフがいま何に悩み、どういうことに不満をもち、どういう希望をもっているのか、すべてを吸い上げて受け止められるよう取り組んでいるところです。

-新しく「麺屋翔」さんの仲間になる方に求めることはありますか?

未来の自分に「欲」を持っている人です。なんとなく応募しました。なんとなく待遇がいいから連絡しました。ではなく、「麺屋翔で働いて最速で店長になりたい。数年後には独立したい」。そんな“野心”を持っている人を“求ム”です。でも、僕が考える「欲」はそれだけではありません。主婦の方で応募してくださる人がいるなら、「家族との時間を大事にしたいから、子どもが学校に行っている間だけ仕事がしたい」。ですとか、学生さんで大手企業に就職したいというのであれば、「就職活動に活きる経験を教えてほしい」というような“欲”に応えられるようになりたいです。「麺屋翔」に関わった方のひとり一人に向き合って、本人の夢を叶えるための支援をする、そういうビジョンを描いています。実際、僕自身も中小企業の活性化を目指す異業種の研修などに参加し、知見を深めているところです。まずは経営者として自分が変わり、強くならないと組織の成長はない。はじめに変わるべきは従業員でなくて、自分だという気持ちで研修を体験し(けっこう厳しいものもあるんですが笑)、それをうまく従業員のみんなに伝えられたらなと思っています。

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-これからの「麺屋翔」。未来への展望。

お店に来ていただいたお客様がほっとするような、また「このスタッフに会ってみたい」というお店にしていきたいですね。お客さんが、もし何か悩んでいたらその悩みや不安が吹き飛ぶような、“太陽”のような店をつくっていきたい。いまは、おいしいものさえつくればお客さんは来るだろう、おいしいものなら売れるだろうという時代じゃないと感じています。もちろん、おいしいラーメンを提供するのはプロとして最低限の仕事として「麺屋翔」も変わらず“うまいラーメン”を出します。一方で、人を魅力としたお店として存在感を出していきたいですね。ひとり一人のスタッフに、それぞれのファンがいる。「あなたに会いにきたんだよ。キミじゃないとダメなんだよ」というお店づくりがしたい。働いているスタッフにとっても、それはやりがいになるはずです。

これもすべては修業した際に、田代さん、本田さんを通じて教わった、大勝軒・山岸さんの教えかもしれません。ラーメンの味ももちろんのこと、ひとり一人のお客様を理解しようとする姿勢。名前を覚えるだけでなく、ふだんの仕事も趣味も悩みも、休みの日に何をやっているかも知って、お客様とスタッフ双方が「ファン」になる関係をつくっていけるお店が理想です。

「麺屋翔」の魅力は人間力、人に尽きます。と言い切れるほどの、人ありきのラーメン店をこれからもつくっていきます。

-最後に、これから10坪飲食店開業を考える人へメッセージをお願いします。

シンプル&原理原則&精神論かもしれませんが、「どんなことがあってもあきらめない」ことです。これに尽きます。あきらめて後ろを向いていては、夢は叶わない。やり続ければ必ず夢はつかめる、ゆっくりでもいいから前に進んでいく、どんなことがあってもあきらめないでやり遂げてほしい、と思います。

これからの僕の夢は、日本一元気な企業をつくることです。僕もまだ挑戦者の最中なので、みなさんも挑戦してみることをおすすめします。

‐ありがとうございました!

「商品以上に、人ありき」。経営資源はよく「ヒト・モノ・カネ」と言われますが、「ヒト」重視の大橋さんの意見、参考になります! 開業前の皆さんは、「麺屋翔」に足を運んで、人材育成の参考にしてみてください!

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【※取材店舗情報※】

店舗名:麺屋翔

麵屋翔本店店主:大橋望

https://www.menya-syo.tokyo/

【西新宿本店】

住所:〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-22-34

営業時間:平日 11:00-15:00 18:00-23:00

土日祝:11:00-15:00 17:00-21:00

※スープ切れによる変更あり

定休日:元旦のみ休業

電話番号:03-3364-5787

<食べログ>

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13040181/